私たちが多様性を受ける事は非常に難しい事は人間に備わった心理である事は説明しました。それでは私たちは一体どうすれば良いのでしょうか?
その1つの答えとなるものは、今から遠い昔インドの地で見出されました。この説明だけでもピンと来た人がいるかもしれないが、仏教です。仏教と言うと、日本のお寺を想像してしまうかもしれないが、これは少し違います。日本に輸入されるまでにもともとの仏教と少々違うものとなってしまったのです。なので今回説明する仏教については「原初仏教」と呼びます。
原初仏教はもともとお釈迦様が考えられたものであり、私たちの抱えている苦しみから解き放たれるための方法なのである。
私も全てを説明できないし、全てを説明していたら何十冊分の本にもらってしまうので、私のなりの要点をまとめていきます。
原初仏教の最終的な到達点として挙げられるのが、「無常」や「無我」です。
無常と言うのは、すべてのものは移り変わっていると言うことです。これは自分についても同様で、私たちの体も心も一定の状態を保つということはなく、この感覚がわかるようになると、いろんなものへの執着が捨てられるようになります。それは自分の国籍や人種、偏見などでも含まれます。
この執着というのが、多様性を受け入れる上で大きな障害となるのです。例えば「黒人は危ない」と言う偏見があるとしよう。これは何かの情報に触れたり、自分の体験から生まれた信念です。仮に体験から得られた信念だとしても、無常を理解することができていれば、「あの黒人は、あの時は危ないことをしたけど、いつも危ないわけではない。もしかしたらお金がなくてあのような行動をとっていたのかもしれない。家族の前ではとても優しい人かもしれない」と言うふうに物事を0か100で判断することがなくなります。
このように執着が捨てられるようになるとあらゆるものがニュートラルに見られるようになり、結果として多様性を受け入れられやすくなったり、差別意識がなくなるのです。
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